済州戦と柏戦。浦和のサッカーができなかったのか、しなかったのか
大逆転と敗北の間に見えるもの
浦和のサッカーをサブの選手にも
浦和に同点のチャンスは何度か訪れている。それはアウェイで敗れたACL・済州戦も同様だ。1失点で試合を終えたことが成長といえば、成長なのだろうか。
大逆転をおさめた済州戦で見せたレッズらしい戦い。それができなかった柏戦。
アグレッシブに戦わなかったのか、それとも戦えなかったのか?
どちらにしても“らしさ”を発揮できなかったことに不安を覚える。疲労が原因で戦えなかったのだとしたら、中3日での試合をほとんど同メンバーで戦わなくてはならないという現実は厳しい。リーグ戦でみれば34試合のうちの1試合に過ぎないが、こういう試合こそ控え選手に出場のチャンスを与えてもよかったのではないか。それとも監督にとっては、“厚い”選手層ではないのか――。
優勝候補最有力の浦和の停滞は、リーグ戦を加熱させている。首位柏(勝ち点30)から9位川崎F(同22点)までの勝ち点差はわずか8(ACL出場の3位G大阪(同25点)、5位鹿島(同24点)、6位浦和(同23点)そして川崎Fは消化試合が1試合少ない)。
「1年を通して連敗するときもありますけど、自分たちがいいときはブレずに続けることだと思う」
済州戦後の西川の言葉が、今季の浦和の明暗を象徴しているように思える。自分たちのスタイルで戦い続けることができるのか?
そのためにも疲労度が戦況に影響しない選手起用が求められるだろう。監督が信頼を寄せることができる選手層の厚みを作るのもまた、監督自身の仕事になる。補強ではなく、育てていくことができれば、クラブの未来も明るくなるのだから。
【関連:甦ったレスターの秘密と岡崎慎司。「“守備的FW”としての成熟、FWとしての不満」】